2016年11月25日

「小豆島の記憶」完成上映会

1本の8ミリフィルムの時間は、3分間。

その3分間の中に込められた撮った人の愛情−。

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11月23日、ふるさと村ワインハウスにおいて、映画「小豆島の記憶」の完成上映会が行われました。

この映画の監督は、映像作家の三好大輔さん。


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(三好大輔監督)


普段は、コマーシャルやミュージックビデオなどをつくられている三好さんは、2009年から、「地域映画」という
地域の人々が記録した8ミリフィルムを再構築して映画にするという活動を始められました。


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三好さんが「地域映画」をつくるきっかけとなったのは、友人の結婚式のため、ビデオを作るときに渡された8ミリビデオ。

おとうさんが娘の姿を撮った愛情あふれる映像にうちのめされたそう。

なんとかこれを残す仕組みがないのかといろいろ探したけれど見つからず、「自分でやるしかない」と思ったのがきっかけだったそうです。

これまでに、墨田区や足立区、福島県の浪江町など全国各地で制作をされてきました。


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小豆島では、2014年7月に三都半島で「小豆島8ミリフィルムアーカイブはじまりの上映会」が行われ、

小豆島の人々が記録した8ミリフィルムを掘り起し、

心の中の風景や記憶を蘇らせつないでいくプロジェクトがはじまりました。



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(2014年7月三都半島で行われた「はじまりの上映会」)



小豆島の人から、昭和20年−50年代のもの、約100本のフィルムが集まったそうです。

映画は、8ミリフィルムの映像と、
その映像を見ながら会話するフィルム提供者の映像で構成されています。

おまつりや子どもが生まれた日など特別な日。

そして、結婚式までの二人の記録など、歩んだ道。

拇岳や採石場など今も残されている風景などの様々な映像が展開されていきます。


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フィルム提供者は、フィルムの中に自分の過去の記録を見ます。

今はこの世に存在しないおばあちゃんの元気な姿に、「会えないひとに、会えたことがうれしい」と心から喜んだり、

切り立った岩場を登っていく若い頃の自分の姿に「今の自分にはできないことができていることがくやしいなあ。」
などといいながらも、

皆、とてもいい表情をされているのが印象的でした。

記憶が記録によって、より鮮明によみがえるのです。


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また、フィルムの中にはいないはずの私たちも
フィルムの中に映し出される昔の出来事や風景など、見たことがないはずのものをとても懐かしく感じました。

「なぜだろう?」と
三好さんとお話しする中で、8ミリビデオの物理的な特性で、1秒のコマ数がテレビは36コマ、映画は24コマ、8ミリは18コマ。

コマ数が少ないのでコマとコマの間に停止している時間が流れていて、動きの間を想像力で補完しているとのことを教えてもらいました。

その想像力に、親子の愛情など誰しもがとおってきた普遍的な経験も大きく影響し、フィルムの中に自分ではない姿を見ているのに、自分のことのように喜びを感じたりすることができるんだと感じました。


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今、この瞬間も、次の瞬間には過去。

1人1人の人間の存在がとても大切であるともに、今というものがとてもかけがえのない時間であることを8ミリフィルムが映し出す過去の記録から改めて感じました。



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そして、1人1人の個人の紡いできた記憶をつなぎあわせると、
地域にとっても大切な宝物になるということを実感しました。



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「フィルムには映っていない撮った人の気持ち」
三好さんがこのフィルムを製作するときに大切にされたことは、
撮り手の被写体に対する愛情や思いなどでした。

そして、撮った人の思いが三好さんの手により
三好さんの思いとともに、素敵な「小豆島の記憶」となりました。


小豆島町企画財政課 広報担当 中川


posted by 小豆島観光協会 at 22:16| 香川 ☀| イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする