2016年08月29日

第17回「まるごと小豆島 ―島の魅力再発見!― 放哉の来た道」

小豆島観光協会では、小豆島に来ていただいたお客様をおもてなしするスタッフが、 改めて小豆島について知り、スキルアップにつなげる場をつくろうと 「まるごと小豆島―島の魅力再発見!―」と題したセミナーを月に1度開催しています。
セミナーには、当協会会員の宿泊施設、交通機関、観光、産業に従事している方や、セミナーに興味をもってくださった一般の方にご参加いただいています。

8月25日開催した第17回目は、「放哉の来た道〜京都から井上邸まで〜」と題して、日本放哉学会 副会長 森克允さんにお話しいただきました。
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森さんは、小豆島土庄町の役場で、建設や農林水産の仕事に携われたのちに、観光課に配属されます。上司の「小豆島のことをもっと知れ」という言葉に触発され、これまでの小豆島の産業や観光の歩みについて見つめ直されました。
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江戸時代までの小豆島は、歌人や画家をはじめとする文人、また、お遍路さんなどで年間10万人が訪れる島だったそうです。また、醤油やそうめんなどの産業も発達していました。
昭和9(1934)年には、多くの人たちの尽力で、小豆島を含めた瀬戸内全体が国立公園の指定を受け、寒霞渓をはじめとする島の自然が守られてきました。

ところが戦争がはじまり、戦後の混乱期には、醤油の原材料がない、そうめんも主食でないので衰退していくなど、産業が打撃を受けました。
そこで、小豆島開発協会が発足し、産業から観光へと力がそそがれることになります。
多くのお客様に小豆島に観光に来てもらえるよう、海上交通(フェリー)を整備し、陸上交通(道路・バス)を整備が進められました。

企業を中心に進められたこの開発は、行政へと拡大し、1990年ごろにはオリーブ公園、小豆島ふるさと村をはじめとする観光施設も次々に建設・整備されました。
壺井栄の『二十四の瞳』が田中裕子主演で再映画化され、そのオープンセットが残され、二十四の瞳映画村として公開されたのもこのころでした。

文学を通して小豆島を発信しようと、東に二十四の瞳映画村があれば、西にもということで、森さんを中心に建設されたのが、1994年にオープンした小豆島尾崎放哉記念館です。
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森さんがそれまでに尽力された建設や農林水産の仕事、人とのつながり、そして改めて見つめ直された多くの先人たちの観光への取り組み、想いを結集されての建設でした。
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そして、森さんは、尾崎放哉の「記念館」という箱ものだけではなく、晩年のたった8か月を過ごした小豆島での放哉の様子、周りの人々、当時の小豆島についてもこつこつと研究を積み重ねていらっしゃいます。

多くの研究論文を発表されている中から、放哉が京都から小豆島に来る経緯や、どんなルートで来たか具体的な検証をすすめられた結果を詳細にお話いただきました。
放哉の人柄だけではなく、小豆島への交通、小豆島のまちの様子、人の気質など、小豆島で暮らし、小豆島の発展に尽力されてこられた森さんだからこそ持ちうる視点での分析が伝わる検証でした。

また、森さんが冒頭に、小豆島の観光開発の歴史をお話いただいた中に、それを率いた多くの先人たちの紹介がありました。
放哉が小豆島に来た経緯の中にも、井上文八郎(俳人名:井上一二)の存在がありました。
井上文八郎は、小豆島の地元の村長や、香川県議などとして活躍し、大阪の東洋紡績の誘致に成功し、島に暮らす人たちの雇用の創出などを図った偉人として知られています。
俳人である荻原井泉水の門下で、その縁から小豆島にやって来た尾崎放哉の生活を支えました。

森さんのお話を伺って、これまで多くの先人たちの努力で、小豆島の産業や観光が発展し、また、それを森さんのような方々がさらに引き継いで来られたことが実感できました。
森さんが観光課に配属になって、最初に気づかれたように、観光に携わる私たちは、観光の歴史や先人たちの努力をきちんと知って、それをさらに次の世代に引き継いでいかなくてはならないと改めて思いました。

「まるごと小豆島―島の魅力再発見―」が、その一旦を担えるよう、これからも継続して、島の偉人、島の歴史、文化、産業などを学ぶ場をつくっていきます。
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小豆島観光協会 岸本
posted by 小豆島観光協会 at 18:08| 香川 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月26日

小豆島のブランド魚「島鱧」

8月も下旬に差し掛かりましたが小豆島はまだ連日猛暑が続いています。

しかし、セミの鳴く声がぱったりと消え日中の静寂が秋の気配を感じさせるようになりました。
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さて、水産資源が豊富な小豆島ですが近年漁獲量が飛躍的に伸びている魚種があります。
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この細長ーい魚、そう高級魚「ハモ」です。
料亭などで食べるイメージで、庶民にはなかなか食べる機会の少ない魚ですね。
京都や大阪では祇園祭や天神祭の時期に無くてはならない魚です。
昔の小豆島では殆ど獲れなかったハモですが10年ほど前から漁師さんの網に頻繁に入るようになったそうです。
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ここは、小豆島で最も漁業が盛んな「小江(おえ)」地区です。
大きな漁港には各種漁船がずらりと並びます。

漁業の後継者不足は小豆島でも深刻でここ小江も例外ではありません。
しかし、そんな中でも若い後継者がしっかりと育っています。
昨年、その若手漁業者と地元の漁協が中心となりこのハモを全国へPRしようとブランドを立ち上げました。
ブランド名は「島鱧(しまはも)」です。

島鱧の見学に小江の地元の四海漁協さんにお邪魔しました。
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朝8時、漁協前で水揚げが始まります。
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漁船が続々と地先に着き漁師さんがハモを持込みます。
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これが、ハモを獲る漁船「底びき網漁船」です。
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ここの底びき網漁は他の地域と比べ網を曳く時間が短いためハモに傷がつきにくいのだそうです。

手際よく漁協の方が計量し水槽へ。
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あっという間に水槽がハモで満たされます。

この水槽は18度の冷水に保たれていて一昼夜泳がせ余計な餌を吐かせ体をきれいにします。
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この後、専用の活魚車で生きたまま関西方面へ出荷されます。
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漁獲量が増えているハモですが、きちんと資源保護はしています。
300g以下の若魚と2kg以上の魚は放流が義務付けられていて漁獲されてもすぐ海へかえすそうです。

漁獲量が増え始めたころは、売っても二束三文なので殆ど放流していたとのこと。
しかし、何とかこのハモを高値で売れないかと数年前からハモの大消費地の京阪神へ出荷するようなりました。

さらに現在ハモの加工品も漁協の女性部が作っています。
島鱧の天ぷら「はも天」です。
島内外のイベント等で販売しています。
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なかなか食べる機会の少ないハモもこのように加工すれば広く一般的に食べられます。
今後は、ハモ関連の施設を増設して加工した商品の生産も目指したいとのことです。

漁協の方は、「ブランドを立ち上げたばかりで課題はたくさんある。しかしそれらをクリアして全国的にブランドの知名度が上がれば。最終的にブランド魚で漁業者の収入がより安定したものになれば。」若い漁協職員の目は力強く未来を見据えていました。


土庄町商工観光課 石床
posted by 小豆島観光協会 at 10:29| 香川 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

尾崎放哉

『咳をしても一人』
『いれものがない両手で受ける』

自由律の俳人、尾崎放哉の代表的な句です。


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西光寺の境内にある尾崎放哉と種田山頭火の句碑


自由律とは、従来の五・七・五の俳句の定型や、季語にとらわれず、自由な音律で表現する俳句で、尾崎放哉は師と仰ぐ荻原井泉水や、種田山頭火らとともに自由律を代表する俳人の一人です。


尾崎放哉は明治18年、鳥取県生まれ。
元は縁もゆかりもない小豆島ですが、放哉さんが最後に安住を求めてたどり着いたのが小豆島でした。



尾崎放哉は、現在の東京大学を卒業し、若くして会社の要職に就くなどエリートコースを歩んでいましたが、お酒のトラブルが原因で会社を辞職。

その後も、就職してはお酒や人間関係で周囲とトラブルを起こしてしまい、次々と仕事を辞め、ついには家族も仕事も捨てて京都や須磨(神戸市)のお寺を転々とする生活を送ることになります。


そんな生活は放哉に孤独や貧困、病をも与え、最後は「海の見える所で死にたい」と師である荻原井泉水に訴えて、大正14年8月に小豆島に来島、土庄本町にある西光寺の奥の院・南郷庵の庵主となりました。


南郷庵で放哉さんが暮らしたのは約8ヶ月間という短い時間でしたが、孤独と貧困と病に苦しむ生活の中で約3000もの俳句をつくったとされています。

最初に紹介した『咳をしても一人』や『いれものがない両手でうける』などもこの地で読まれた作品です。


現在、西光寺の奥の院は誓願の塔となり、放哉さんが住んでいた南郷庵は復元されて尾崎放哉記念館となっています。


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奥に見える朱色の塔が「誓願の塔」


記念館には放哉の直筆の句や手紙、放哉の師である荻原井泉水の資料など貴重な資料も展示されています。

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尾崎放哉記念館

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中には放哉直筆の作品など貴重な資料が展示されている


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庭には句碑も設置



尾崎放哉が南郷庵に入った日は8月20日。

入庵日を記念して現在、土庄町立中央図書館のロビーでは記念展示が行われています。

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土庄町立中央図書館の南郷庵入庵記念展示


また、現在「第16回放哉ジュニア賞」の募集も行っているようなので、小中学生のみなさんはこの機会に自由律の俳句に挑戦してみてはいかがでしょうか。

*放哉ジュニア賞作品募集について
 放哉の俳句を若い世代に伝え継承していくために小豆郡内の小・中学生と鳥取県の尾崎放哉の出身小学生(後身校)を対象に募集しています。
 詳しくは尾崎放哉記念館、または、土庄町生涯学習課へお問い合わせください。

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放哉ジュニア賞の俳句募集中!



孤独や貧困の辛さや淋しさ、悲しみが短い句の中に力強く描かれている放哉の俳句ですが、中にはくすっと笑ってしまうような俳句や、辛さの中で感じた小さな幸せを温かく描いた俳句などもあって、読んでいくほど面白く、放哉の句の魅力を感じることができます。

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放哉さんの句を2つに分けてつくったカルタも展示されている


図書館には放哉さんの関連書籍もあるので、ぜひ一度読んでみてはいかがですか?


また、尾崎放哉記念館は瀬戸内国際芸術祭の鑑賞パスポートを見せると、入館料が割引となります。
土庄町民はいつでも無料で入館できますので、記念館にもぜひ気軽に足を運んでみてくださいね。


放哉だよりはこちらから


小豆島とのしょう観光協会 川下



posted by 小豆島観光協会 at 19:12| 香川 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月22日

まだまだ、夏は終わらない

お盆が過ぎましたが、まだまだ小豆島は暑い日が続いています。
昨日、ふるさと村で行われた小豆島町子ども会主催の海洋体験に親子で参加して来ました。

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まずはカヌー体験を行いました。
低学年の子供達は親子で2人乗りのカヌーに、高学年からは1人乗りのカヌーに乗ります。
目指すは沖合500mにある無人島「弁天島」。一斉にスタートしました。

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風を感じながら親子でのんびり進む子や、どちらが早く到着するか友達と競争する子、
みんなそれぞれカヌーを楽しみます。

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到着した弁天島では水分補給や休憩の時間を予定していましたが、海を目の前にした子供達に
休憩なんて必要ないようです。お茶を一口飲んだらみんな海に勢いよくドボーン!
ライフジャケットを着けていきなり足がつかない海へ入ることは、普段の少しずつ深くなる海に入るのとは違って、新鮮でなんだか“特別”を感じさせてくれるようです。

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浜辺に向かって戻るときはカヌーの漕ぎ方もすっかり慣れたようで、行くときに比べ
早く進んでいる子が多かったです。
そして、砂浜では夏の定番、冷たいかき氷。炎天下で熱くなった体を冷ましてくれます。

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お腹が満たされた子供達はまだまだ遊び足りない様子。
砂浜でお城を作ったり、浅瀬で水遊びをしたり、ここでも休むことなく海を楽しんでいました。

次は、バナナボート体験とローボート体験を行いました。

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水の上を走るスピードと落ちるかもしれないというスリルを楽しむバナナボートは
子供達にも大人気で行列ができるほど。始めは少し怖がっていた子も降りるときには
「もう終わり?もう1回!」と元気に笑顔で帰ってきました。

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自分達で舵をとり、海を進むことのできるローボートはグループで声を掛け合い
息を合わせて漕いでいきます。低学年の子供達も保護者と離れて自分達だけで海を出たことで
少し自信がついたようです。

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こんがり焼けた顔が海を思いっきり楽しんだ証。
最後に「楽しかった人?」と聞くと全員が「はーい」と手を挙げてくれました。
一緒に頑張って少しお疲れの保護者の方も子供の「楽しかった!」という笑顔を見たら、
きっと参加してよかったと疲れが吹っ飛んだと思います。
夏休みの思い出がまた、ひとつ増えました。

夏休みも後10日、夏はまだまだ終わりません。
小豆島ふるさと村の海ではバナナボートは今月末まで、カヌーは10月頃まで楽しむことができます。
ぜひ、夏の思い出作りに小豆島へ遊びにきてください。



小豆島観光協会 福井
posted by 小豆島観光協会 at 15:57| 香川 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月19日

永遠の、一瞬

お盆を過ぎましたが、まだまだ暑い日が続いています。
小豆島にも海水浴を楽しむお客様や、瀬戸内国際芸術祭2016を鑑賞されるお客様が多くいらっしゃっています。
“小”豆島といえども、実際は周囲120qほどもある大きな島。
1日で見て回るよりも、ぜひ島で宿泊をしてゆったりと巡るのがお勧めです。

そして、島で宿泊をするなら見逃してはならないのが夕陽。
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碁石山からの夕陽。内海湾が茜色に優しく染まります。

島で見る夕陽は、1日たりとも同じ景色はなく、その日1日だけの表情を見せてくれます。
まさに「永遠に続く、一瞬」です。

ちょっと今日は曇っているな、という日も大丈夫。
雲がレフ板の代わりになり、太陽が反射することで空がキャンパスのように染まります。
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大部港周辺からの夕陽。島の北側は鏡のような水面が広がります。

小豆島に住んでから、ゆっくりと夕陽を眺める日が多くなりました。
1日を振り返りながら眺める夕陽は、なんともいえない気持ちです。
先日は家の近くの漁港から夕陽を眺めました。
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停泊している舟がゆらゆら。小豆島ならではの風景です。

近くを通った地元の方が、「今日の夕陽が1番。毎日が1番だけどね〜。」とにっこり。
太陽が沈むまで、一緒に穏やかな時間を過ごしました。
小豆島の夕暮れは、ゆるやかで贅沢な時間が流れています。
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北海岸線にある「こぼれ美島」。美しいシルエットが印象的です。

夕陽スポットといわれる景勝地も島内にたくさんありますが、
自分だけのお気に入りスポットを見つけてみるのも楽しみ方の一つです。

楽しい島旅のひととき、
心も体も、太陽と共にリフレッシュしませんか。

小豆島観光協会
鈴木
posted by 小豆島観光協会 at 17:16| 香川 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする